ウェルカムボードの新しい展開

ウェルカムボードというのはこのように、主に飲食店においてメニューやタイムサービス、シーズンサービスを来店者にアピールするためのツールでした。敷居の高い専門店・高級店から、店舗の立地・外装の条件に恵まれない小規模個人商店まで、お店の個性や「売り」を開示する実に手頃なアイテムだったのです。この便利な道具がやがて、食べ物屋さん以外の職種でも利用されるようになってきます。

開業医、個人クリニックの場合、医院の表の壁に院長先生の名前と診療時間、休診日、電話番号などの必要情報をプレートにして嵌め込んでおけばいいわけですが、テナントビルで開業されている場合など、自由に壁面が使えないことがあります。そうした条件のクリニックがウェルカムボードをうまく利用するようになってきたのです。基本はやはりイエローページ、電話番号簿でしょうが、飛び込みの外来患者さんの場合、案外こうしたウェルカムボードを見て、という人が多いのです。

ウェルカムボードはいろいろな場所で使われます。この他にも、個人事務所、工務店、旅館、雑貨店、洋品店、ギャラリーなど、業務内容についてはなんとなく漠然と理解できるものの、今現在の「おすすめメニュー」が判ればもっと飛びつきやすい、といった業種で積極的に利用されるようになってきています。本来入りやすいはずなのに意外と毎日は行かない「町のケーキ屋さん」などでも、ウェルカムボードに「金曜日のケーキ=モンブラン350円」とか書かれていたら、つい買って帰りたくなるでしょう?

こうしたウェルカムボードの利用方法というのは、かつては張り紙で済ませていたものを、よりオシャレに、スタイリッシュに、目につきやすくしてみよう、ということで始まったものなのでしょう。壁やガラス窓に直接張り紙するよりも、毎日書き換え、張り替えが簡単なウェルカムボードなら、使い勝手もずっといいわけです。再利用可能、という経済性も個人経営の店舗やオフィスにとって都合がよいわけです。

ところが近年、こうしたウェルカムボードの「個性的でオシャレ」という側面に注目した利用方法が急激に伸びてきているのです。それがブライダルでの利用なのです。結婚式場や披露宴会場で来賓・来客をガイドするためのサインボードとして、大いに流行しているのです。と、同時に「ウェルカムボード」という通名も、ブライダル利用の方面から定着してきたようなのです。それまでは単にサインボード、立て看、黒板、ホワイトボード、掲示板など様々に呼ばれていたものが、ブライダルで使われるようになってからウェルカムボードという呼称が一般化しています。

 

ウェルカムボードの参考情報  →  http://nigaho.com/?mode=f1